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2007/04/03

イラク青年の体験

イラクの空には何が見える?~あるイラク青年の体験 に行ってきた。

実際に日々危険と向き合って生活している方の話。ここに内容を軽々しく書けるものではないが少しだけ触れる。

最初に高遠菜穂子さんから中東の概要と現在のバグダッドの状況についての説明があった。現在のイラクの状況は宗派対立であり、この感覚は日本人には理解ができない・・・・と思っていたのだが、それがどうやら違うらしい。

イラクという国では、戦争前は宗派宗教とは関係なく人々が仲良くしていた。家族の中でも「お父さんがシーア派、お母さんがスンニ派」という家はよくあるし、イスラム教の人とクリスチャンがお付き合いをするということもあった。クルド人とも決して仲が悪いわけではなかったと。それが、今は・・・・・・・・。ここには書けないが、何がどうなってしまったのかという流れがわかった。

一昨年撮影されたバグダッドの映像も見た。残酷な場面もあってティーンエイジャーの女の子を連れたお母さんは見ないように言っていた。決してテレビでは流されない映像。でも、これが真実。私たちが目にするのはイラク国営放送が関わっているもののみ。政府(つまりアメリカ?)にとって都合のよい映像しか目に出来ないらしい。そこで、一般市民が何とか真実を世界に伝えようとハンディカムを持って撮っている。

その後、イラクから来日したカシムさんの話。わかりやすい英語でのスピーチ。これまでに3度逮捕されているにも関わらず生きているといラッキーな人(本人談)ということだ。戦争中は軍隊にいた(義務)が、現在はバグダッド西部にあるファルージャを再建するプロジェクトに関わっている。

最初はGoogle Earth を使って地域の説明。アップになると建物も車も見える・・・と思ったらこれは2002年のもの。現在のもの(つまりぐちゃぐちゃになって何もなくなった街)は軍事上のシークレットがあるということでGoogleにもアップが許可されていないらしい。

このカシムさん、数日前に16歳の従兄弟が殺されたという状況にもかかわらずいろいろなことを話してくれた。米軍、そして米軍の息がかかっている政府関係者がひどいことをし続けている。アメリカはイラク人を人間だとは思っていないのではなかろうか。逮捕なんかされたら人権も何もあったものではない。もちろん逮捕される前に理由無く殺される人も多数。

現在の状況は人々の宗派対立ではなく政治的なものというのが彼の意見。自爆テロだって実際は人が乗っていない車が爆発していて(そうは報道されていない)、その後その証拠品は警察も調べないそうだ。何か大きな力が働いているのかも知れない。

質疑応答も活発であった。ある人が「イラクの人達は、アメリカの言うようにフセイン政権から解放されたかったのか?」と質問した。私もちょっと興味があった。

カシムさんの答え。「確かにフセイン政権のもとでは経済制裁があったこともあり生活は非常に苦しかった。大変なこともあった。しかし、その中でも大学で工学を学ぶことはできた。でも、今は教育さえ受けられない。以前は外国人も自由にイラクに来られたが今はダメ。そして今現在米軍にたくさんの一般人が毎日殺され続けている。こういう現実がある中で『フセイン前とフセイン後とどちらがよかったのか』などと今考えるのは全く意味がないこと。考えなければならないのは『今』のことだけなんです。」

いつ何時殺されるかわからない非常に緊迫した状況。「あの戦争は正しかったのか?」なんてことを考えられる状況ではないわけだ。

カシムさんは「報復は平和にはつながらない」と、報復しようとする若者達を学校やメディカルセンターの建築に携わらせて武器を取らせないようにしている。カシムさんと一緒に逮捕された経験のある日本人ジャーナリストの人が「日本人が憲法9条を忘れて武器を取ろうとしているのに、あなたは武器を手放して平和を実現しようとしているんですね」と発言した。本当にそうだ。涙が出た。

私の両親は戦争を体験している。子供の頃から「戦争だけはいけないよ」と言われていてリアルな体験談を何度も聞いている。今も選挙が近づくと「憲法9条だけは守らなきゃね」「○○候補は能力は認めるけれど入れない。思想が危険だから」というような話をよくする。

戦争の話をする時の両親の目と今日のカシムさんの目、過去と現在という違いはあれど体験した人に共通する厳しさがある。机上の空論でもっともらしく話している人達(政治家、評論家達)とは違う。高遠さんも本当に強い信念のもと活動しているということが伝わってきた。表現がふさわしくないかも知れないが、とても美しい人だと思った。

アンケート、本当は「頑張ってください」「お気をつけて」と書きたかった。しかし、軽すぎる。感想と「ありがとうございました」しか書けなかった。

今日の参加者は93名。どんな人が来ているのか見回してみた。
夜間の開催にもかかわらずスーツを着た日本人のビジネスマン、政治関係者らしき人が一人もいないのが気になった。

こういう集まりには初めて出てみた。生の声をきくことは本当に大切だ。そして、報道等を鵜呑みにしない。自分で考え自分で判断すること。今度の都知事選もよく考えよう。

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